バカ口レア(フランス)

※本用語の解説は1992年に作成されたものです。

フランスでは,国立総合大学に進学するためには,バカロレアと呼ぶ大学入学資格を取得することが一般に必要である。バカロレアを取得するための試験(リセと呼ばれる。)は,後期中等普通教育課程の3年間に基づいて行われる。リセの教育課程の修了は,このバカロレアを取得することで認定され,取得できなければ,中退者扱いとなる。
リセには,日本の普通科高校に相当するものがなく,その教育課程には種別がある。大きくは普通教育課程と技術者教育課程に分類されている。普通教育課程には,哲学・文学科,経済学・社会学科,数学・物理学科,数学・博物学科,数学・技術学科,農学・技術学科の6学科がある。また,技術者教育課程には工業科,医学・社会科,音楽・舞踏科,経済科,情報科がある。
バカロレアにもリセの教育課程に従う種別があり,試験科目も種別に応じて設定されている。各種類のバカロレア取得者は,それぞれに対応する大学の専門分野を履修することができる。
バカロレアを取得するための試験は2段階に分けて行われ,第1段階では専攻学科の主要科目(7-.9科目)についての筆記試験と口述試験が実施される。第一段階の試験成績が一定水準をパスした者が第2段階の口述試験に進み,そこでは2ないし3科目を受験する。試験の最終的な合否判定は第1段階と第2段階の成績の総合成績で行われる。
なお,特定の職業分野について高度の専門教育を行う(グラン・ゼコルと呼ぶ。)専門大学に進むためにも,バカロレアはその基礎資格となる。つまり,バカロレア取得時の成績などが優れていれば,専門大学準備級(リセに設けられる1ないし2年の課程)に進学することカかでき,更にこの準備級の修了試験を経て専門大学が独自に行う入学試験を受験することができる。