輪切り
※本用語の解説は1992年に作成されたものです。
受験産業等が,各大学・学部の合格者の過去のデータ等によって,各大学の入学難易度や合格圏を設定し,これにより全国の大学をランク付けし,これらの数値のみによって入学志願者に対する進路指導を行い志願者の進路選択も同じ傾向にあるといわれている。この場合,大根を輪切りするように志願者を層別化するので,これが輪切りと呼ばれている。
共通第1次学力試験が行われるようになってから,全国的な尺度ができたとして,受験産業等が各受験生の共通第1次学力試験の自己採点の結果を集計し,その結果に基づいて大学のランク付けを行い,受験生を割り振っていく状況が顕著になったといわれている。この結果,不本意入学による,中途退学者の増加等が指摘されてきたが,最近は,各大学の入試方法の多様化や正確で質の高い大学‘情報の提供を進めるなど,その大学にふさわしい学生の入学に向けて,多くの努力が続けられている。また,大学入試センター試験では,その利用方法を各大学が自由に定めることができることになったため,同種の大学,学部間でも利用科目が異なる場合があり,輪切りの傾向は,緩和したといわれている。