進学適性検査

※本用語の解説は1992年に作成されたものです。

進学適性があるとは,上級学校における諸課程を履修するのに必要な知的能力を有することをいい,この能力には,大学の学習を可能にする学力があることとそれに加えて入学後に期待される学習への可能性,能力があるかどうかということの両面が含まれる。
我が国では,米軍司令部からの勧告を受け,昭和22年度から大学入学者選抜試験の筆記試験の一部として知能検査が実施され,昭和23年度から「進学適性検査」となった。昭和24年新制大学第1回の入学者選抜から大学受験生全員に課せられた。
その内容は,大学における教育を履修するに十分な資質があるかどうかと,文科,理科のいずれに適するかを検査する目的をもって高等学校1年程度の教科により理科的問題と文科的問題とが含まれていた。
しかし,この検査は,①練習効果が顕著に出ること,②そのための準備が激しくなり,学力検査と二重の負担となったこと,③大学の利用が積極的でなかったこと,④予算が十分でなかったこと,⑤国立大学協会全国高等学校長協会等から中止の要望が出たこと等の理由により,昭和30年度から一斉実施は廃止された。