大学進学情報の提供

※本用語の解説は1992年に作成されたものです。

昭和60年6月の「臨時教育審議会の第1次答申」及び昭和63年2月の「大学入試改革協議会の最終報告」において,「偏差値重視に偏った進路指導を改善し,受験生の能力,適性,志望に応じた適切な進路指導を実現するための大学入試センターの仲介機能を強化するとともに,全国的にも地域的にも各大学と高等学校の間での交流の推進を図ること」,「高等学校における進路指導が偏差値偏重,業者テストの利用等に陥らず,各大学の学部等の教育の目的・内容等に関する十分な知識・情報に基づき,各人の個性,適性,進路に応じたものとなるよう改善充実を図るべきである。各大学及び大学入試センターはこのような改善に資するため,高等学校との連携協力を深め,高等学校や受験生などに適切な情報を提供する必要がある。」との提言が行われ,各大学からの正確で質の高い情報の提供及びこれらによる高等学校における進路指導の改善が指摘された。
この答申に沿って,昭和63年5月に国立学校設置法の一部が改正され,大学入試センターの業務として,「大学に入学を志望する者の進路選択に資するための大学に関する情報の提供を行うこと」が新たに加えられ,大学の教育研究内容等に関する情報や入試に関する情報など,大学進学情報の提供を行う事業が始まった。
また,各大学においても,「大学案内」の発行,「大学紹介ビデオ」の作成,「大学説明会」の開催など個々の情報提供事業が次第に活発に行われるようになった。
さらに,平成3年4月の中央教育審議会の答申において,「大学入試センターにおける情報提供システムの整備充実や各大学における大学情報の提供の一層の改善充実を図ることが重要である。また,大学入試センターは,国公私立の各大学の入試に関する情報を収集し,広く国民の利便に供する必要がある。」と提言され,今後更に情報提供の充実が求められている。現在,大学入試センターが行っている大学進学情報の提供は,①「ハートシステム」(進学情報データベース)による大学進学案内,②「国公立大学ガイドブック」の刊行,③「大学ガイダンスセミナー」の開催,④「大学入学広報セミナー」の開催,⑤レフアレンスサービス,⑥「ハートニュース」の発行などである。