中央値
※本用語の解説は1992年に作成されたものです。
テスト得点等の分布の全体としての位置を表す代表値のーつ。受験者の得点を大きさの順に並べたとき,中央に来る値であり,代表値としての意味は平均値に比べてずっと理解しやすい。試験の得点分布の場合,受験者数をNとすれば,中央値は下(上)から(N+1)/2番目の値として定義される。例えば,受験者数が9ならば,下から(9+1)/2=5番目の値が中央値であり,これはまた上から5番目の値でもある。また受験者数が偶数,例えば10ならば(10+1)/2=5.5となるカま,この場合には5.5を挟む二つの値,つまり5番目と6番目の値の平均値を用いる。
中央値の重要な特性は,それが外れ値の影響を受けにくい点にある。今,中央値を境として受験者の得点を中央値以上の群と以下の群に分けた時,二つの群の受験者数は一致する。平均値が,その値と各受験者の得点との隔たりを考慮した代表値であるのに対して,中央値は,単に各受験者の得点がその値以上か以下かの情報のみに基づいて与えられる。したがって,他の多くの受験者とは異なり極めて高い(低い)得点を得た受験者がいたとしても,それは中央値より大きな(小さな)一つのデータとしての意味しか持たず,その隔たりの大きさそのものは中央値に影響を与えない。