能研テスト
※本用語の解説は1992年に作成されたものです。
中央教育審議会の答申「大学教育の改善について」(昭和38年1月28日)の「大学の人学試験について」に基づき,学習到達度と進学適性について客観的検査方法を調査研究するとともに,その方法により共通的・客観的テストを実施する機関として,昭和38年1月に財団法人能力開発研究所が設置され,同年4月から業務を開始した。
能力開発研究所では,この目的に沿って昭和38年から,①.学カテスト(国語,社会,数学,理科及び外国語の5教科17科目について,平素,学科の学習を身に付けた学カを測定),②進学適性能力テスト(進学適性として必要な知的能力のうち言語的推理能力と非言語的推理能力を測定),③職業適応能力テスト(職業適応に必要な知的能力のうち一般能力と基礎学力を測定)を実施したが,これらを総称して「能研テスト」といわれた。
文部省は,昭和42年度から,このテストの結果を大学入学者選抜の資料として利用できることとし,その利用と研究成果の普及に努めたが,大学側の対応が極めて消極的であったことなどにより,受験者数が減少の一途をたどり,昭和44年度から廃止された。