事前選択

※本用語の解説は1992年に作成されたものです。

大学入学志願者が受験したすべての大学の合否が決定してから入学する大学を選択できる方式(事後選択)に対し,国公立大学の「受験機会の複数化」の実施過程において検討された統一的な合格者決定方式(案)のーつである。
①出願に当たって,志願者にその大学に対する志望順位(第1又は第2等)を届け出させる,
②その上,各大学・学部で入試を行う,
③各大学・学部の「合格候補者リスト」を1か所に集めてコンピュータで突き合わせ,複数の大学について合格となる候補者については,本人の届け出た志望順位にしたがって合格者を決定し,これらの処理を全大学・学部についてすべて終えてから合格者を発表するなど,
が考えられた。
この方式は,その大学を第1志望とするものが確保され,入学辞退等が減り,入学者の確保が容易になる,との利点があるが,①全大学・学部の合格者決定方式を統一する必要があること,②合格者決定が中央で完全に機械的に処理されること,③受験生に出願時に志望順位を確定させること,④技術的に完全な実施は極めて難しいこと,など問題点が多いとされ,採用されなかった。